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( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 9 2011年02月28日 ( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです トラックバック:0コメント:0


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 23:46:49.85 ID:Ybflg5it0 [2/6]

 しんと静まりかえった城内を彼女は我が物顔で闊歩していた。

 元々他人となれ合うのは苦手だった。
 母親が死んでからはそれがいっそう顕著になり、今では“嫌い”になっていた。


 彼女は夜中眠らなかった。
 かといって昼間に寝ている訳ではなく、数日に数時間ほど、目を瞑って休息を取るだけである。


 眠ると必ず悪夢を見る。
 全てが奪われてゆく日々を思い出す悪夢を見てしまう。

 眠れるはずがなかった。


 「困ったわねえ」


10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 23:50:21.42 ID:Ybflg5it0 [3/6]

('、`*川「そうなの。このままじゃ計画もおじゃん」

 「おまえの力で何とか出来るんじゃねえの?」

('、`*川「私は魔法使いだけど、神様じゃないの。出来ることと出来ないことがある」

 「お姫様がもっと積極的だったらいいのかしら」

 「そういう問題じゃねえ気がするが」




 真夜中の図書館では、窓から差し込む月明かりだけが拙い光源だ。

 青白く浮かび上がった人影は、ひそひそと談笑を続ける。
 相談というほど深刻な雰囲気は無く、それはあくまで談笑であった。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 23:53:03.27 ID:Ybflg5it0 [4/6]



  _
( ゚∀゚)「何をしているんだい?」




('、`*川「―――あら」




 暗闇から現れた魔王に対し、魔女は表情を変えずにじっと見つめ返した。

 彼女の瞳に人間らしい暖かみは感じず、空に張り付いた月のように、静かに青く揺れていた。


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 23:54:23.74 ID:Ybflg5it0 [5/6]





 ##### ガラクタ魔王のようです #####










 第九話「パルプノンフィクションと闇夜の来訪者」






19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/27(日) 23:59:15.16 ID:Ybflg5it0 [6/6]

  _
( ゚∀゚)「勉強かい?」

('、`*川「いつから監視していた?」



 二人の視線は鋭角に交差した。

 ジョルジュはふっと表情を柔らかくし、ペニサスを穏やかに見返した。

  _
( ゚∀゚)「城内を散歩していただけだ。そしたら図書館に入っていく君を見つけてね。
     興味本位で後をつけていただけだよ。監視なんてとんでもない」

('、`*川「そう。私に興味があるんだ?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。君は普通の魔女とは違う」



  ―――穢れた血め!



('、`*川「……ええ。違うよぉ? 色々と」
  _
( ;゚∀゚)「ご、ごめん! 気を悪くしたかな。そんなつもりじゃなくて……」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:07:42.07 ID:qkwDQx6b0 [1/17]

('ー`*川「ひひひ。魔王様ぁ、私もあんたのことに興味がおありなのでございますですよ?」

 甘ったるい声で喋るのはペニサスの癖だった。


  _
( ゚∀゚)「僕に?」

('、`*川「その防護に防護を重ねた精神の裏側に隠してある、おぞましいほどに強力なパワー、とか」
  _
( ゚∀゚)「僕は非力だ」

('ー`*川「とんでもない!」


 ペニサスは一冊の本を手に取っていた。
 彼女がいたのは、Gの番号札が付けられている棚だ。


('、`*川「この本によると、歴代最強の魔王は杉浦ロマネスクだと書かれている。
     数百万年に一人、生まれるか生まれないかの天才。豪傑。暴君。魔王の中の魔王。ロマネスク」

('ー`*川「ひひひひ。そしてこの本が書かれたあと、ロマネスクはまだ少年だった魔族に殺された」

  _
( ゚∀゚)「よく知っているね」


24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:11:23.40 ID:qkwDQx6b0 [2/17]

 ジョルジュは無表情に近かったが、静かに殺気を放っていた。

 彼の様子を見て、ペニサスは嬉しそうに口元をゆるめる。

  _
( ゚∀゚)「誰から聞いた。ミセリさんか?」

('ー`*川「いいえ?」
  _
( ゚∀゚)「……いや、違う。まさか、この城に来る前から、知っていた?」

('ー`*川
  _
( ゚∀゚)「おまえ、一体……」

('ー`*川「女の子は謎が多い方がミステリアスで可愛いんだぜ」


 本棚に本を戻すと、ジョルジュの横を通ってペニサスは出口へ向かった。


27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:18:03.23 ID:qkwDQx6b0 [3/17]
  _
( ゚∀゚)「待て。最後に一つだけ訊きたい」

('、`*川「あン?」
  _
( ゚∀゚)「僕がここに来る前に、誰と喋っていたんだ」


 ペニサスがジョルジュを振り返ったとき、ちょうど月が雲に隠れてしまった。
 暗闇に満ちた図書館で、彼女の顔は見えない。


( ー *川「ひとりごと」


 鼻歌を歌いながら、軽やかな足取りでペニサスは図書館を出て行った。


 しばらくの間、月は雲にさらわれたままであった。


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:22:12.16 ID:qkwDQx6b0 [4/17]


 ## ## ## ##



ミセ;゚-゚)リ「んもー! ぜんっぜん終わりの兆しが見えないんだけど!」


 本の山に埋もれそうになっているミセリが叫んだ。
 図書館の蔵書の整理はあまりにも量が多く、毎日作業をしても一向にはかどっている気がしなかった。


ζ(゚ー゚*ζ「気長にやるしかないですわ」

ミセ*゚ー゚)リ「いっそさあ、捨てちゃうって発想は無い?」

( ゚∋゚)「駄目です!」

ζ(゚、゚*ζ「駄目よ!」

ミセ;゚ー゚)リ「わぁごめんなさい!」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:28:24.61 ID:qkwDQx6b0 [5/17]

( ゚∋゚)「知識というのは目には見えませんが、価値のある財産なのです。
     それを後世に残すというのは今を生きる我々の義務であり、また……」

ミセ*゚-゚)リ「はい! はい! ええ! うん! その通り! サーイエッサー!」

ζ(゚ー゚*ζ「一段落したら美味しいプディングを作って、三時のティータイムにしましょう?」

ミセ*゚ー゚)リ「うわー姫ナイスアイディア! 流石中身も外見も太っ腹だね!」

ζ(^ー^#ζ「外見は太いつもりはありませんわ」

ミセ*゚ー゚)リ「こんなさわり心地のいいお腹しといてなに言ってんのよ!」


 ぽよん


ζ(゚、゚;ζ「キャー! ひ、人のお腹を許可無く触るなんて、ぶ、無礼ですよ!」

ミセ*゚-゚)リ「ケチー! クックルだったらいつでも触らせてくれるよ! ほら」


 もふもふもふもふ


( ゚∋゚)「……」


35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:31:54.82 ID:qkwDQx6b0 [6/17]

ζ(゚ー゚*ζ「あら、それなら私も触らせていただいても?」

( ゚∋゚)「え、ええ。構いませんが」

ζ(゚ー゚;ζ「で、で、では遠慮なく……」


 もふもふ


ζ(’ー’*ζ「キャー! もふもふですわ! もふもふですわー!」

ミセ*´ー`)リ「姫もわかりますかな。このもふもふの良さが」

ζ(’ー’*ζ「初めて男の人のお腹触りましたわー! 思った以上にもふもふですわー!」

( ゚∋゚)「……」


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:35:37.10 ID:qkwDQx6b0 [7/17]

( ゚∋゚)「ティータイムはいいとして、まだ三時まで時間があります。作業は続けましょう」

ミセ*゚ー゚)リ「あいよー!」

ζ(゚ー゚*ζ「了解ですわ」



ミセ*゚ー゚)リ「あ!」

( ゚∋゚)「どうされましたか?」

ミセ*゚ー゚)リ「れ、恋愛指南書だってさ!」

( ゚∋゚)「ああ、それは一応、教則本に入るのでRの棚に……」


ζ(゚ー゚*ζ「恋愛指南書!?」

ミセ*゚ー゚)リ「そうなのよー! ちょっと読んでみない?」

ζ(゚ー゚*ζ「ちょ、ちょっとだけなら……」


43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:39:03.48 ID:qkwDQx6b0 [8/17]

ミセ*゚ー゚)リ キャッキャウフフ ζ(゚ー゚*ζ



( ゚∋゚)


 ミセリに同年代の友達が出来たのは嬉しいが、同時に妙な疎外感に襲われてもいた。

 クックルは一人で作業をすることに決めた。



ミセ*゚ー゚)リ「姫様はさー、今まで恋愛とかしたことある?」

ζ(゚ー゚*ζ「えー! ミセリちゃんは?」

ミセ*゚ー゚)リ「ないんだなーこれが。
      まあその、一夜限りの恋人とか、月一の恋人とか、不定期の恋人はいっぱいいたけどね」

ζ(゚、゚*ζ「そうなの!? じゃあ私より経験豊富ね」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:44:36.35 ID:qkwDQx6b0 [9/17]

ミセ*´ー`)リ「師匠と呼んでくれてもいいのよ?」

ζ(゚ー゚*ζ「師匠! 相談があるんですけど、よろしいですか?」

ミセ*´ー`)リ「なにかね」

ζ( ー *ζ「師匠は魔王様のこと、好きなの?」


 突然の質問に、ぎょっとしたままミセリは動かなくなった。


ミセ;゚Д゚)リ

ζ(゚ー゚*ζ「ふふふ」

ミセ;゚ー゚)リ「な、なんで!?」

ζ(゚ー゚*ζ「ん、なんでって?」

ミセ;゚ー゚)リ「私、別に、そんな風に見てる訳じゃないし……。
      どうしてそんな風に思ったのかなって、思って、って感じで」

ζ(^ー^;ζ(今のあなたの焦りようが一番の理由になると思うけど)


47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:48:54.91 ID:qkwDQx6b0 [10/17]

( ゚∋゚)  ← 作業をするふりをする執事




ζ(゚ー゚*ζ「私は、好きです。魔王様のことが」

ミセ*゚-゚)リ「うん……知ってる」

ζ(゚ー゚*ζ「最初は一目惚れでしたけど」

ミセ*゚ー゚)リ「一目惚れってどんな感じ?」

ζ(゚、゚*ζ「んと……イメージが沸きましたわ」

ミセ*゚ー゚)リ「イメージ?」

ζ(゚ー゚*ζ「うん。ずっと二人で、同じ家に住んで、同じ食卓を過ごして。
       二人で同じ景色を見て、二人で同じ夜を過ごして……そんなイメージです」

ミセ*゚-゚)リ「ふぅん」

ζ(^ー^*ζ「わかんない?」

ミセ*゚ー゚)リ「わかんない!」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:55:43.90 ID:qkwDQx6b0 [11/17]

ζ(゚ー゚*ζ「あなたなら、わかると思ったんだけどなあ」


 デレは悪戯っぽく笑った。
 彼女の仕草に王家の気品はなく、むしろ年頃の女の子という感じがして、ミセリはそれが嬉しかった。


ζ(゚ー゚*ζ「本当に、好きじゃないの?」

ミセ;゚-゚)リ「えっと……」

ζ(゚ー゚*ζ「まだ、わからない?」

ミセ; - )リ「うーん、私は、特にそういうイメージとか、わかんなかったし……。
       たぶん、好きとは、違うんじゃないかなぁ……」

ζ(^ー^*ζ「可愛いー!」

ミセ;゚Д゚)リ「のわー!」


 デレは突然ミセリを抱きしめた。
 自身の豊満な胸の中にミセリの顔が押し込まれる。


53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 00:59:35.46 ID:qkwDQx6b0 [12/17]

ミセ;゚Д゚)リ「ゼェ、ハァ、ハァ、なにすんのよー!」

ζ(^ー^*ζ「可愛すぎてつい……」

ミセ;゚Д゚)リ「ついちゃうわー!」



 窒息しそうになったミセリが、肩で息をしながらデレを睨み付ける。

 しかしまるで悪びれていないデレが屈託無く笑うと、つられてミセリも笑ってしまった。


ζ(゚ー゚*ζ「でも」

ミセ;゚ー゚)リ「ん?」

ζ(゚ー゚*ζ「もしも、好きって気持ちを見つけたら、すぐに教えてね」

ミセ*゚-゚)リ「う、うん……」

ζ(゚ー゚*ζ「抜け駆けは、したくもされたくもないんですの」


54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 01:04:32.48 ID:qkwDQx6b0 [13/17]

 譲る気もありませんから、とでも言いそうな不敵な笑みを浮かべていた。

 ミセリは少し困ったように、しかし笑いながら彼女を見つめ返した。


( ゚∋゚)「三時になりました。休憩にいたしましょう」


ζ(゚ー゚*ζ「はーい。お台所かりますわね」

( ゚∋゚)「ええ。どうぞ」

ミセ*゚ー゚)リ「プディングの作り方教えて!」

ζ(^ー^*ζ「いいよ。一緒にいこ」



 うち解けたあとの二人は、まるで姉妹のように仲がいい。

 クックルはそれが喜ばしくもあり、また寂しくもあった。


60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 01:16:53.01 ID:qkwDQx6b0 [14/17]



 ## ## ## ##



 かつてこの世界に冥界の魔族たちが攻め込んできた。

 人間たちの住むこの世界を上界と呼び、冥界と上界を繋ぐ出入り口を鬼門と呼ぶ。

 この鬼門は今、ジョルジュによって封印されている。



 彼の強大な魔力によって、鬼門から魔族が上界にやってくることはなかった。

 しかし彼は、この結界をかいくぐり、上界を目指している魔族がいることを知らなかった。

 あらゆる結界破りの策を弄し、ジョルジュの結界を破ったのは、戦争終結から数百年が過ぎた、ある夜のことだった。


63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 01:19:38.78 ID:qkwDQx6b0 [15/17]


 「やった! やった! 上界に出られたッス!」

 「落ち着けクソ馬鹿野郎」

 「自分女ッス!」

 「落ち着けクソ馬鹿女」



 「魔力を抑えろよ。ジョルジュに感付かれたら奇襲できなくなる」

 「僕の能力で気配を隠せるんです!」

 「よぉし上等だ。そんじゃあ、始めるぞ」


65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/28(月) 01:25:21.92 ID:qkwDQx6b0 [16/17]


爪'ー`)y‐「これは復讐でもあり、聖戦でもある」


 長髪の男が煙草を吹かすと、近くの木々がざわつき、草花が一斉に倒れた。

 強大な魔力をその身に宿し、ジョルジュのいる城の方角を見つめて、うすら笑いを浮かべている。


ノハ*゚⊿゚)「自分ら四天王の、戦争デビューでもあるッス!」

<_プー゚)フ「いや、俺の上界デビューだな」

( ;><)「えっと、えっと、僕の、僕の、ピクニックデビュー?」


爪'ー`)y‐「黙ってろクソ馬鹿共」


 彼らが地上に降り立ったのを見ていたのは、欠けた月だけだった。





( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 10
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