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(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第六部 第四十一話 2011年04月04日 ( ^ω^)ブーンが精神病になったようです(ヽ゚ω゚) トラックバック:0コメント:0


683 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 02:20:46.99 ID:qn6p16TR0
ドンドン!

「内藤さ~ん、借りたものはちゃんと返さないとねー
開けて下さいよー」

鍵を閉めたドアの向こうから声がする

(;^ω^)「カ、カーチャン
      またやつらが来たお」

J( 'ー`)し「ブーン、静かにしてなさい」

ドンドン!

扉をけたたましく叩く音が部屋に響く

「内藤さんー、早く開けろや、ゴルァ!」

686 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 02:24:06.35 ID:qn6p16TR0
ドカッ!

扉を蹴る音がした

(;^ω^)「あうあう
      あいつらドアを壊す気かお」

J( 'ー`)し「・・・」

しばらくすると、やがて音は収まった
どうやら帰っていったらしい

(;^ω^)「カーチャン
      あいつら何だお?」

J( 'ー`)し「ブーンは知らなくてもいいのよ」

母の目は悲しみの憂いを湛えていた

724 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:08:53.57 ID:qn6p16TR0
( ^ω^)「あいつらお金の取立てだお?」

J( 'ー`)し「ブーン・・・」

( ^ω^)「トーチャンが死んで、家計が苦しいことは僕も分かってるお
      カーチャンだけが大変な思いをしてるお
      だから、僕もアルバイトしようと思ってるお」

J( 'ー`)し「ブーン・・・
      カーチャンが働いてお金は稼ぐからブーンはいいよ
      それより、しっかり勉強して、大学に進学してくれるほうがカーチャンはうれしいよ」

( ^ω^)「・・・うんだお」

726 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:13:15.69 ID:qn6p16TR0
母は正社員ではない

だからボーナスなどの特別手当はもちろんない
毎月の少ない給料は全て生活費に消えていった

工場の朝は早い

J( 'ー`)し(ブーンの朝ご飯作らなきゃ)

母は毎朝4時半には起床していた
そして、ブーンの朝ご飯をこしらえ、5時半には家を出た

( -ω-)「お~、お~」

当然、ブーンはまだ寝ている

J( 'ー`)し「ブーン、気をつけて学校に行くのよ」

母は出る前に毎朝、寝ているブーンに声をかけた

729 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:19:02.91 ID:qn6p16TR0
工場はブーンの家から自転車で30分ほどかかるところにあった

J( 'ー`)し「はあはあ」

母はまだ夜が完全に明けていない薄暗い早朝、一人自転車をこいで、工場に向かうのだった

J( 'ー`)し(着いたわ)

母はすでに明かりのついて、機械の作動音が聞こえる工場に入っていった

J( 'ー`)し「おはようございます」

( Θ∀Θ)「ああ、おはよう」

母は作業服に着替え、責任者にあいさつをした

もうすぐ朝礼の時間だ

730 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:24:05.36 ID:qn6p16TR0
工場の一角に従業員が集まっていた

J( 'ー`)し「おはようございます」

同僚「おはようございます」

( Θ∀Θ)「皆さん、おはようございます
       世間では不景気の波が徐々に押し寄せています
       うちも生き残りをかけて、しっかりと頑張っていきましょう!」

責任者は朝礼の挨拶を行った

( Θ∀Θ)「それでは、皆さん、今日もしっかりと頑張って下さい
       以上!」

皆、自分の持ち場へと足を運んだ

母の仕事はベルトコンベアーで流れてくる加工食品のパッケージ詰めの仕事である
ベルトコンベアーの傍らに立ち、流れてくる食品を素早くパッケージに詰める
これを日曜日を除く週6日毎日朝の6時半から夕方の4時半までが母の勤務時間であった

733 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:29:02.38 ID:qn6p16TR0
J( 'ー`)し「ふうふう」

食品の加工工場なので、場内は蒸し暑い
また衛生上の面から全身を作業着で包む必要があり、決して楽な環境の職場ではなかった

母は汗だくになりながら、作業を続けた

J( 'ー`)し(暑い・・・)

母は額からにじむ汗をハンカチでぬぐいつつ、作業を進めた

そして、夕方になると服を着替え、帰りに足で業務用スーパーに足を運び、食料を買って帰るのだ

母は食料の詰まったビニール袋を自転車の前の籠に乗せ、家に向かった

735 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:33:01.07 ID:qn6p16TR0
( ^ω^)「カーチャン、お帰りだお」

母が家に戻るとブーンは先に学校から帰宅している

金にゆとりがないので、ブーンは高校ではクラブに入ってないのだ

J( 'ー`)し「ただいま、ブーン」

( ^ω^)「カーチャン、疲れてるお
      内職やるの、僕も手伝うお」

母は工場の仕事だけではやっていけないので、合間を使って便箋作りなどの内職もやっていた

J( 'ー`)し「ありがと、ブーン
      でも、カーチャンは大丈夫だから、手伝ってくれなくてもいいよ」

736 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:37:32.14 ID:qn6p16TR0
母は買い物で買った食糧を冷蔵庫に詰めて、水を飲んで一休みすると、内職に取り掛かった

台所とトイレ、風呂場などを除くと一部屋しかないため、同じ部屋で
ブーンは小さな折り畳み机を広げ隅で勉強を、母は床に座り材料を広げ内職をやっていた

J( 'ー`)し(内職も結構しんどいわね)

母は工場ではずっと立ちっぱなしである
座ってやれる分、内職はいくらかは楽であった

しかし、労働を終えた後の、更なる労働は虚弱な母の体を少しづつだが確実に蝕んでいった

737 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:39:53.26 ID:qn6p16TR0
ピンポーン!

ふいに玄関のチャイムがなった

ドンドン!

「内藤さんよー、いるんでしょー
 出てきてくださいよー」

取立屋だ

最近、家に来る頻度が増している

(;^ω^)「・・・」

J( 'ー`)し「・・・」

二人とも嵐が去るのを、じっと息を潜め、こらえていた

738 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:43:35.55 ID:qn6p16TR0
「いい加減にしろよー、内臓売っぱらってでも金返さんかい、ゴルァー!」

扉の向こうで取立屋が大声で叫ぶ
わざと近所に聞こえるように大声で叫んでいるのだ

しばらくして、取立屋は帰っていった

( ^ω^)「カーチャン、借りた分はとっくに返してるお
      警察に相談したほうがいいお」

J( 'ー`)し「そうね
      このままだと殺されかねないわ」

母は不安ではあるが、警察に通報することにした

740 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:50:50.17 ID:qn6p16TR0
警察に通報して、その後、取立屋が来ることはなくなった

( ^ω^)「警察が取り締まってくれたみたいだお
      よかったお」

J( 'ー`)し「そうね
      これで、やっと開放されるわね」

しかし、度重なる取立屋の派手な取立のせいで、いつしか近所で噂になり、
皆、ブーン家を避けるようになった

母が仕事から帰ってくる時に、近所の人と会うことがたびたびある

J( 'ー`)し「こんにちは」

「・・・」

母は挨拶を積極的にしたが、返事が返ってくることはほとんどなかった
皆、視線を合わさずにそそくさといってしまうのが大抵だった

741 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:52:53.99 ID:qn6p16TR0
またブーンの学校でも、このことは広まり、皆ブーンに近づかなかった

「あいつ、借金取りに追われてるんだぜ」

「こわー、近づかない方がいいよね」

「不幸が移ったらいやだよねー!」

クラスメートはブーンの陰口を言うようになっていった

ブーンは高校で徐々に浮いた存在となっていった

743 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:56:11.94 ID:qn6p16TR0
ブーンは昼食をいつも一人で取っていた

ブーンの弁当は貧しい中身だった

「うわ、何あの弁当
 まずそー」

クラスメート達はブーンの弁当を見てひそひそと馬鹿にしていた

( ^ω^)「・・・」

ブーンは何も言わずに黙々と弁当を食べた
母が毎朝、朝早くに起きて作ってくれているのだ
ブーンは母の事を考えると、弁当の内容などどうでもよかった

745 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 07:59:44.36 ID:qn6p16TR0
弁当を食べ終えると、ブーンは勉強道具を持って、図書室へ向かった

ここは人もあまりおらず静かなので、勉強がしやすいのだ

( ^ω^)(カーチャンの負担を減らすためにも、優秀な成績で大学に合格するお
       そして、奨学生となって学費を減らすお)

ブーンは母がどれほど苦労しているのか、いやというほど感じていた

だから、自分が今できることは優秀な成績で大学に合格するために
一生懸命勉強することだ

ブーンはいつも頭の隅にそのことをおき、勉学に励んだ

748 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:07:41.69 ID:qn6p16TR0
ブーンはあからさまにいじめにあうようになっていった

朝、登校すると上履きにごみが詰められていることもあった

( ^ω^)「・・・」

登校してきた周りの学生がクスクスと笑っている

ブーンは黙って、上履きのゴミを取り除き、誇りをはらって履き、教室へ向かった

教室に入ると、クラスメートがしゃべる

「うわ、くさ!
なんかゴミの臭いしね?」

「浮浪者が教室に入ってきたからじゃね?」

「ギャハハハ!」


749 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:13:24.63 ID:qn6p16TR0
J( 'ー`)し(最近、ブーンの様子がおかしいわ)

母はブーンが近頃元気がないのが気になった

J( 'ー`)し「ブーン、学校は楽しいかい?」

( ^ω^)「楽しいお」

J( 'ー`)し「そう・・・
      ならいいんだけど・・・」

J( 'ー`)し(おかしいわ
      学校で何かあるのかも・・・)

母はブーンが学校でいじめなどにあってるのでは思うようになった

750 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:29:50.16 ID:qn6p16TR0
母の実家は貧しかった

それで、母も学生時代にいじめにあったことがあった

だから、いじめにあっているかどうかはなんとなく分かるのだ

J( 'ー`)し(ブーン・・・
      きっと片親でうちが貧乏だから、そのことでいじめられてるのね)

母はブーンがいじめにあってるのを必死に耐えていると思うと、胸が痛んだ

J( 'ー`)し(ごめんね、カーチャンの力が足りないせいで・・・)

母はブーンの為にももっと働かないといけないと思った

752 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:32:35.00 ID:qn6p16TR0
コンコン

ドアをノックする音がした

看護婦「失礼します」

朝の定期健診だ

J( 'ー`)し「どうも」

看護婦「では、脈を図りますね」

母は左手を差し出した

看護婦はゴムの黒いチューブを慣れた手つきで、母の上腕筋の辺りに巻き脈をしめた

753 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:35:51.03 ID:qn6p16TR0
そして、注射器で採血をし、一通りやることを済ませた後、看護婦は質問した

看護婦「胸の辺りが痛むとか、苦しいとかありますか?」

J( 'ー`)し「そうですね、時々痛みます」

看護婦「では、先生に言って、鎮痛剤をお出ししますので、痛みが出たら飲むようにして下さい」

J( 'ー`)し「わかりました」

看護婦は出て行った

再び病室に静寂が訪れる

母は再び窓の外の景色を眺めた

755 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:39:30.11 ID:qn6p16TR0
J( 'ー`)し(なんだか今日はずいぶんと昔のことが懐かしいわね・・・)

母はさきほどまで回想していた過去を懐かしんだ

J( 'ー`)し(よく今日まで生きて来れられたわ
      本当に・・・)

母はゴホンと咳をした
コップに水を注ぎ、ゆっくりと飲む

J( 'ー`)し「ふう」

J( 'ー`)し(アナタ・・・
      アナタが見守ってくれたおかげで、今年でブーンは大学を卒業することができました
      私の役目は何とか果たせたかしら・・・)

756 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:42:44.94 ID:qn6p16TR0
母は父の顔を思い浮かべながら、胸中に今も生きている父と会話をした

母の胸の中の父はにっこりと微笑んでいた

J( 'ー`)し(アナタ・・・
      私を褒めてくれるのね・・・
      ありがとう)

思えば父が亡くなってより、今年で10年・・・
母にとって平穏な日々は一日といってなかった

J( 'ー`)し(生きるということは苦難と戦うということだわ)

母はそう考えるようになっていた

759 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:46:38.60 ID:qn6p16TR0
J( 'ー`)し(よくまあ、こんな細腕でやってこれたわね)

母は自分のやせて肉のない腕を見つめた
脂肪が少ないせいで、血管が浮き出ている

J( 'ー`)し(それにしてもブーンには不憫な思いをさせた
      私に何か特別な能力でもあれば、もっとよい暮らしをさせてあげれたのに・・・
      生きるだけで精一杯だった)

母はブーンに対して、申し訳なく思った

J( 'ー`)し(ブーン・・・
      カーチャンはお前が病気を治し、立派な社会人となった姿を見れないかもしれない
      でも、お前なら一人でも強く生きていってくれるとカーチャンは信じているよ)

764 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:52:30.54 ID:qn6p16TR0
母はスーツを着て、一生懸命働き、輝いているブーンの姿を想像した

J( 'ー`)し(だって、ブーンはあんなに辛かった学生時代を乗り越えてきたんだもの・・・)

母はブーンと二人で生き抜いてきた日々を思い出した

J( 'ー`)し(ほんとによく頑張ってきたわ、ブーン・・・)

母の頬から一筋の涙が流れた

J( 'ー`)し(・・・少し疲れたわ)

母は窓を閉め、ベッドに横になった

J( 'ー`)し「ゴホッゴホッ」

咳が出た

母はタオルを持ち、口を押さえた

J( 'ー`)し「はあ・・・」

母が持っているタオルには赤い血がついていた

766 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:56:44.00 ID:qn6p16TR0
J( 'ー`)し(それにしても、ブーンが高校生の時は本当に大変だったわ
      もうダメかと何度思ったことか・・・)

母にとってもブーンにとっても高校時代は最も苦難な時代だったのだ

母は天井を見つめながら、再び当時のことを回想しようと目をゆっくりと閉じ、深呼吸をした



第6部 完


768 : ◆OwJQwsENTI :2006/02/26(日) 08:59:17.04 ID:qn6p16TR0
推奨エンディングBGM

アメイジング・グレイス
ヘイリー





(ヽ゚ω゚)ブーンが精神病になったようです 第七部 第四十二話
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