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( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 2 2011年01月19日 ( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです トラックバック:0コメント:0


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:13:15.76 ID:bLAra/Q70


 小鳥の鳴き声で目を覚ました。

 ふかふかの毛布の中で、小さく伸びをしたあと、ベッドからはい出る。



ミセ*´ー`)リ(気持ちよかったぁ~~~~~~~)


 ベッドの上で寝られるのがこんなに幸福なことだっとは、ミセリは感動している。


ミセ*゚ー゚)リ(そういえばこの部屋って、魔王様の部屋なんだっけ)



 空き部屋が無いので、ひとまず自分の部屋で寝ろとジョルジュは言った。

 てっきり体を要求しているのだと思い、服を脱いで迫ったが、渋い顔をされてはねのけられた。


ミセ*゚ー゚)リ(失礼しちゃうわよね。乙女からの誘いを断るだなんて。いうか魔王様はどこで寝てんだろ)


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:14:55.23 ID:bLAra/Q70



( -∀-)「むにゃ?」




 部屋から出ると、廊下のカーペットの上で寝ているジョルジュを見つけた。




ミセ;゚ー゚)リ「ええええええ城主なのに!?」




75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:15:53.70 ID:bLAra/Q70





 ##### ガラクタ魔王のようです #####










 第二話「抽選勇者と囚われの姫」






77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:20:28.83 ID:bLAra/Q70

  _
( ゚∀゚)「やあ。おはよう。清々しい朝だね」

ミセ;゚ー゚)リ「いやどんだけー!? なんで廊下で寝てんの!? 馬鹿なの!?」
  _
( ゚∀゚)「馬鹿ではないと思いたいが……。しかし空き部屋が無くてね」

ミセ;゚ー゚)リ「だったら自分で使えばよかったじゃん!」
  _
( ゚∀゚)「君は体調が悪そうだったし、ベッドで寝た方がいいかと思って」

ミセ;゚ー゚)リ「体調、体調って、大体いつもこんなだよ?」
  _
( ゚∀゚)「そうなのかい?」


 ジョルジュはミセリのことをざっと見渡した。

 昨日と同じ安っぽいドレスから、やせ細った肩と腕が伸びている。
 病的に白く、かさついた荒れ放題の肌に、目の下の隈も見える。

  _
( ゚∀゚)「重病人じゃないか」

ミセ#゚ー゚)リ「悪かったな生活苦で!」


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:23:21.20 ID:bLAra/Q70


( ゚∋゚)「お二方、朝食のご用意が出来ております」

ミセ;゚ー゚)リ「うわっ!」


 風のように現れた巨大なガーゴイルに、ミセリは驚いて飛び退いた。

  _
( ゚∀゚)「うむ。すぐに向かう」

ミセ*゚ー゚)リ「ご、ご飯、本当に食べられるんだ! パンかな? 暖かいやつだったら最高!」
  _
( ゚∀゚)「なんだか君を抱きしめたくなったよ……」

ミセ*゚-゚)リ「え、別に抱いてもいいけど……ご飯のあとにしてもらえる?」
  _
( ゚∀゚)「そういう意味じゃ……まあいいよ。行こう」


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:26:04.75 ID:bLAra/Q70

 ダイニングルームには、二人分の朝食が綺麗に並べられていた。


ミセ*゚ー゚)リ「す、すげえ!」


 パン、焼いたベーコン、目玉焼き、スープ、サラダ、それにデザートがついている。

 朝食としては一流といっていい。

  _
( ゚∀゚)「いただきま……」

ミセ*;ー;)リ「もうちょっと待って! 今目に焼き付けるから!」
  _
( ゚∀゚)「う、うん。いくらでも待つよ」


 ミセリは朝食を食べている最中も泣いていた(旨さに)。


81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:30:48.24 ID:bLAra/Q70

   モグモグ
ミセ*´~`)リ ホワ~
  ヒアワセ…



( ゚∋゚)「お口に合いますようで」

ミセ*゚ー゚)リ「最高! ガーゴイルやめてコックになりなよ!」
  _
( ゚∀゚)「ミセリさん。それは人間やめてコックになるって言うのと同じで、酷く意味不明だよ」


  _
( ゚∀゚)「そうそう、今日は君に手伝ってもらいたいことがあるんだ」

ミセ*゚~゚)リ「はひ?」
  _
( ゚∀゚)「空き部屋を掃除して、君の部屋を作ろうと思う。その前に、君用の服も探そう。
     宝物庫には人間が着る服が何着もある。とりあえずそれくらいかな」

ミセ*゚ー゚)リ「合点承知! ていうか服もくれるんだ。気前いいねえ」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:33:31.18 ID:bLAra/Q70
  _
( ゚∀゚)「その服は流石に、ちょっとはしたないからね」

ミセ*゚ー゚)リ「はしたない?」


 改めて自分の格好を見ると、ほつれた胸の部分から、大きくはだけた胸元が覗いていた。

 裾の部分も端が破れて、太ももの付け根が見えそうになっていた。


ミセ*゚-゚)リ「ありゃ、ほんとだ」

ミセ*゚ー゚)リ「でも客寄せには使えるよね?」
  _
( ゚∀゚)「ここに客は来ないけどね。いや、たまに来るには来る、か」


 朝食を食べ終わったら、片付けはクックルに任せて、二人は地下の宝物庫へ向かった。


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:37:27.09 ID:bLAra/Q70


 宝物庫はいくつかの部屋に分かれていて、その内の一つがドレスルームになっていた。


ミセ*゚ー゚)リ「キャー! すげえ! こんなドレス見たことない!
      うわ、このワンピ超可愛くね? あーんこのキャミも欲しいー!」
  _
( ゚∀゚)「なんでも着ていいけど、舞踏会に行くわけじゃないから、カジュアルなものを選んでね」

ミセ*゚ー゚)リ「私はこれを着るわ!」


 ミセリが選んだのは、コルセットつきの巨大なドレスだった。
 装飾がけばけばしく、煌びやかでお姫様みたいだ。


ミセ*゚ー゚)リ「さっそく着てみよっと」ヌギヌギ
  _
( ;゚∀゚)「ちょ、じゃあ僕は外で待ってるよ」


87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:41:08.85 ID:bLAra/Q70


( ゚∋゚)「魔王様」
  _
( ゚∀゚)「ん? どうした」


 宝物庫を出ると、外でクックルが待ちかまえていた。


( ゚∋゚)「カエラズの森に侵入者です」
  _
( ゚∀゚)「また例の?」

( ゚∋゚)「ええ」
  _
( ゚∀゚)「今度はどういうやつなんだ」

( ゚∋゚)「どういう、と訊かれましたら申し上げ辛い部類なのですが、とりあえず弱そうな男です」


< 魔王様ー! 背中のチャック上げてくんなーい!?

  _
( ゚∀゚)「そっちは任せていいかい」

( ゚∋゚)「ええ。ではそちらは任せますね」


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:44:42.47 ID:bLAra/Q70

  _
( ゚∀゚)「チャックくらい、自分で上げられ……」


 再び宝物庫に入ると、ドレスの上半身が完全にはだけ、半裸になっているミセリがいた。

 程よく育っている胸が露わになっている。


ミセ*゚-゚)リ「ん?」
  _
( ;゚∀゚)「あ、ごめん!」

ミセ*゚ー゚)リ「ああ、このドレスやっぱやめるね。今度はこっち着てみよっと」ヌギヌギ
  _
( ゚∀゚)「そ、外で待っているから」

ミセ*゚ー゚)リ「はーい。チャック上げるときはまた呼ぶね」


 女性と一緒に服を選ぶときの手順を勉強しておくべきだった、そう魔王は後悔した。


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:47:47.93 ID:bLAra/Q70


 ## ## ## ##



(゚A゚)「うおおおおおおおおおおお!」



 森を疾走する若者の後ろには、彼の何倍も大きい魔物が迫っていた。



(;゚A゚)「死にたくねえええ! まだやり残していることがたくさんあるんだ!
    女の子とデートするとか! 女の子にプレゼントを買ってあげるとか!
    家に帰ったときに女の子に、おかえり(はぁと、って言ってもらうとか!
    あと耳そうじしてもらうのと、手を繋いで歩くのと、一緒に海に行くのと、一緒に山に……」


 指で数えながら願いごとを言っている辺り、若干の余裕がある。



91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:51:47.92 ID:bLAra/Q70


(;゚A゚)「ねえよそんな余裕!」


('A`)「あ、どうも。紹介が遅れました。俺はドクオって言います。勇者です」


 Q:勇者になった経緯は?


('A`)「そうですね、言ってしまえば抽選なんですよね。
    ここ最近ですね、カエラズの森の魔王を討伐しようっていう動きが国全体に起こってるわけですよ。
    かといって冷戦状態の今、兵士を差し向けると国軍の軍力低下が起こる。
    そこで一般市民から抽選で選ばれた者が勇者となり、討伐へ行くんすよね」


 Q:あなた以外の勇者は?


('A`)「いやあ、死んでしまいましたね。まあみんな他人だったんで特にどうということも無いですけど。
   でも俺一人でどないせっちゅうねんという疑念はありますね。いやあ、本当、お先真っ暗です」


 Q:これからの目標は?


('∀`)「生きて帰ること! これに尽きますね」


94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:55:42.74 ID:bLAra/Q70


 しかし彼を追っているのはカウデビルという魔物で、襲われればひとたまりもないのである。

 おそらく彼が生きて帰ることはないだろう。


(;'A`)「なんでそんなに辛辣なんだよ! ちくしょおおおおお!
    俺は絶対に生きて帰ってやるぞ! ついでも魔王も討伐して伝記に残ってやる!」


 「グオオオオオオオオオ!」


(;゚A゚)「わああああ言い過ぎました! 魔王様には逆らいませんのでぇ~!」


 魔物は魔王の手下だと思っている彼は、必死に魔王をあがめて命乞いをした。

 しかし魔物は魔の物と書くが、魔族とは無関係で、当然魔王とも全くの無関係である。



(;゚A゚)「そうだんたんだ! 死ぬ前に勉強になったぜ! うわああああああ!」


95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/18(火) 23:58:03.44 ID:bLAra/Q70


 大口を開けた魔物が彼を襲おうとしたとき、魔物の動きが止まった。



(;'A`)



(;゚A゚)「!?」


( ゚∋゚)


 空を飛んできたガーゴイルが、魔物を羽交い締めにしているのだ。

 魔物とて恐ろしい力を有しているのだが、腕を捕まえられた魔物は、微動だに出来ないようだ。

97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:02:24.02 ID:e8AHgL/80

(;゚A゚)「うわああああ妖怪大戦争だあああ!」



( ゚∋゚)「ふん」


 ガーゴイルが力任せにぶん投げると、魔物は悲鳴を上げながら、空の彼方へ消えていった。


(;'A`)「す、すげえ」

( ゚∋゚)

(;゚A゚)「って次は俺か!?」


(;゚A゚)(どうする!? どうする俺!? ここで選択を間違えば死!
    ってか正しい選択とかあるのか!?)


98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:06:27.84 ID:e8AHgL/80

( ゚∋゚)(このまま逃げてくれればいいのだが)

(;゚A゚)(ここで生き残るにはどうすれば、考えろ考えろ考えろ!
    逃げれば追ってはこない、か!? いやそんな訳ねえだろ!
    魔物を追っ払ったのは俺という餌を逃がさないために決まってる!)

( ゚∋゚)(昼食はなにを作ろうかな)



(;'A`)「やいやいやい! 俺を誰だと思っている!」

( ゚∋゚)「?」

 やけくそだった。

(;'A`)「俺は勇者だ! これから魔王討伐をするため、魔王城へ乗り込むのだ!
    この勇敢な俺に免じてここは見逃してください! お願いします!」

( ゚∋゚)(うーむ、少し痛い目を見てもらうしかないか)


101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:13:13.39 ID:e8AHgL/80

(;'A`)「このままだと国に帰れないんだ!」

( ゚∋゚)(帰れない?)

(;'A`)「抽選勇者って知ってるか? 魔王討伐のために抽選に選ばれた聖なる戦士さ!」

( ゚∋゚)(聖なる戦士というか、罰ゲームみたいだな)

(;'A`)「それがこの前から、魔王の首を持って帰ってこなかったときは
    住民権を失って国を追い出されるようになったんだ!」

( ゚∋゚)(! それはそれは。国が焦り始めているのだろうか)


(;A;)「頼む鳥の人! 見逃してくだせええええええ!」

( ゚∋゚)(……)



 泣きながら地面に頭をすりつけて頼み込んでくる男に、クックルは頭を抱えた。



102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:17:40.21 ID:e8AHgL/80


 ## ## ## ##



ミセ*゚ー゚)リ「どう! どうこれ! 可愛い?」


 ジョルジュとミセリは空き部屋を掃除していた。

 といっても働いているのはもっぱらジョルジュで、ミセリは身につけたドレスをしきりに鏡で確認していた。

  _
( ゚∀゚)「似合ってるよ」

ミセ*゚ー゚)リ「こんなに綺麗な服を着られるなんて最高! 死んでもいい!」
  _
( ゚∀゚)「死んだらだめだよ。とりあえず掃除をしよう」

ミセ*゚ー゚)リ「ねえねえ、私可愛い?」


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:24:53.25 ID:e8AHgL/80


( ゚∋゚)「魔王様」


 いつの間にか、窓にクックルがいた。


ミセ*゚ー゚)リ「あ、クックル! ねえこれ見て! 可愛い?」

( ゚∋゚)「少しお話があります」
  _
( ゚∀゚)「わかった。ミセリさんは掃除を続けてて」

ミセ*゚ー゚)リ「はーい」


 部屋を出たあとも、ミセリはやはり鏡の前から動かず、ポーズも決めてドレスを愛でていた。


 部屋を出て、少し行った所にあるテラスでクックルは話を始めた。
 報告したのはもちろん、抽選勇者のことだ。

  _
( ゚∀゚)「なるほどね。罰則がついてしまったのか」

( ゚∋゚)「ええ。ですのでとりあえず、魔物除けの術をかけて、森に放置しております。
     どうされますか?」


105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:30:00.25 ID:e8AHgL/80
  _
( ゚∀゚)「さて、どうするのが一番、穏便だろうな」

( ゚∋゚)「街に追い返してもいいのでは? 魔王様が気を揉まれることではないかと思います」
  _
( ゚∀゚)「しかし住む場所が無いというのは駄目だよ」

( ゚∋゚)「そうでございますが……む」
  _
( ゚∀゚)「どうかしたか」


( ゚∋゚)「真っ直ぐ城に近づいている人間がいます。おそらくは抽選勇者」
  _
( ゚∀゚)「凄いな。迷いの森とも言われるこの森で、迷わずにここまで来られるなんて」

( ゚∋゚)「それにしても」
  _
( ゚∀゚)「うん?」

( ゚∋゚)「全力疾走なんです」


106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:33:29.08 ID:e8AHgL/80


 ## ## ## ##



(;゚A゚)「いやあああああああ! ハチが! ハチの群れが!
    人間にはモテないけどハチにはモテモテです、ってアホか!」


 森をさまよっている内に、ハチの巣を壊してしまった男は、とにかく必死で走っていた。

 獣道を無我夢中で走り抜け、やがて行き止まりに出る。


(;゚A゚)「!?」


 行き止まりは城壁だった。

 そう、彼はたどり着いたのだ。

 魔王の城に。


108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:38:51.06 ID:e8AHgL/80

(;'A`)(ついにたどり着いた!)


 既に諦めたあとにたどり着いてしまった魔王の城だが、
 ふつふつと心にわき上がる闘志を男は感じていた。


(;'A`)(ここで魔王を倒せば、俺は一躍ヒーローだ!
    うだつの上がらなかった人生におさらば、モテモテ街道一直線!)


('A`)「やるぜドクオ! ここが人生の分かれ道だ!」


 抽選勇者ドクオが気合いを入れているところを、上空からジョルジュとクックルは眺めていた。


  _
( ゚∀゚)「来てしまったか」

( ゚∋゚)「さあ、迷っている暇はございませんが」


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:45:56.23 ID:e8AHgL/80

  _
( ゚∀゚)「どうもこうも無い。こうなったら仕方ないだろう。僕に任せてよ」

( ゚∋゚)「魔王様?」
  _
( ゚∀゚)「城門を開けて、彼を中に入れよう」


 魔王がなにを考えているのかわからないまま、クックルは城門を開けた。



(;'A`)(?)

 突然城門が開いたのをドクオは怪しがったが、これ幸いと中へ入った。

 剣を構えながら、やたら周りを警戒してすり足で城の中を移動する。


113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:50:45.32 ID:e8AHgL/80


( ゚∋゚)「どうするおつもりなのですか?」
  _
( ゚∀゚)「闘う。そして僕が負けるんだ」

( ゚∋゚)「負ける?」
  _
( ゚∀゚)「もちろん負けたふりだよ。でもそうすれば、彼は国に帰れるからね」

( ゚∋゚)「魔王様、彼は魔王様の首を持ち帰らなければ、国には帰れないのですよ」
  _
( ゚∀゚)「そうだったのか。どうしよう」

( ゚∋゚)「……」



ミセ*゚ー゚)リ「あー、こんなところにいた!」
  _
( ゚∀゚)「ミセリ。掃除は?」

ミセ;゚ー゚)リ「ちょ、ちょっと休憩かな? それよりなんの話?」
  _
( ゚∀゚)「君には関係無いよ」

ミセ*゚-゚)リ「内緒の話? ケチ」


116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:54:12.76 ID:e8AHgL/80



(;゚A゚)「ハァ――――! ハァ――――! すげえプレッシャーだぜ!
    これが魔王城なのか! いつ物陰から強力な魔物が飛び出してきてもおかしくねえ!」


 震える足を引きずって、青銅の剣(140G)を手に構え、城の探索を続ける。




 「ねえ、可愛い?」

 「君はそればかりだな」

 「じゃあ可愛いって言って?」

 「似合ってるよ」



(;'A`)「声がするぞ……こっちか」


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:55:42.96 ID:e8AHgL/80

  _
( ゚∀゚)「ミセリさん、今は本当に遊んでいる場合じゃ……」





(゚A゚)「あーーーー!!!」


( ゚∋゚)「あ」
  _
( ゚∀゚)「あ」

ミセ*゚ー゚)リ「え?」



(;゚A゚)(ガーゴイルと、魔族の男、それから……)



  ミセ*゚ー゚)リ




119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 00:59:17.38 ID:e8AHgL/80


 美しいドレスに身を包んだミセリは、城の雰囲気と相まって、お姫様のようにしか見えなかった。


(;'A`)(魔王城に、姫が捕まっていたなんて!)


('A`)(それにしても)


(*'A`)(フヒヒ。なんて俺好みの女だ!!!)



 病的なまでに細い体、しかし主張は忘れない胸元に、まん丸い目。

 ミセリは彼のドストライクであった。

 ドクオの体に、感じたことのない熱い感情が宿った。


121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:01:32.12 ID:e8AHgL/80

(#'A`)「うおおおおおおお魔王!」
  _
( ゚∀゚)「うん?」

(#'A`)「人間の姫を捕まえてなにをするつもりだ!」
  _
( ゚∀゚)「人間の姫……」



  _
( ゚∀゚)  ミセ;゚ー゚)リ  (゚∈゚ )



ミセ;゚ー゚)リ「ごめん。状況がわかんないんだけど」
  _
( ゚∀゚)「説明する暇は無いよ……ミセリ姫」

ミセ*゚ー゚)リ「それいい! すっごく素敵! もっかい言って?」
  _
( ゚∀゚)「断る」


122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:06:22.81 ID:e8AHgL/80

(#'A`)「魔王、覚悟おおおお!」


 剣を振り上げて襲ってきたドクオに対し、ジョルジュはどう動くのか考える。


 既にジョルジュの眼前でドクオは剣を振りかぶっていた。
 あまりにも遅いので、どうすればいいのか逆に悩んでしまうほどだ。


(;'A`)「おわ!」


 ジョルジュが初撃を躱すと、ドクオはどたばたと距離を取った。

 渾身の一撃だったのに、いとも簡単に避けられたことで、やや戦意を失っていた。



(;'A`)「ひいいいいいい! ドクオ流一刀断裂斬をこんな簡単に避けるなんて!」
  _
( ゚∀゚)(今の一撃に名前があったのか)


123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:10:13.88 ID:e8AHgL/80

(;'A`)「クソ! 姫! ご安心ください! 今俺が助けにいきます!」

ミセ*>ー<)リ「キャー! 勇者様頑張ってー!」
  _
( ゚∀゚)「ミセリさん。それは悪のりだ」


(;゚A゚)「いくぞ魔王! ドクオ流奥義阿修羅双斬!」
  _
( ゚∀゚) ヒョイ

(;゚A゚)「くそ! ならばドクオ流奥義紅蓮竜巻突き!」
  _
( ゚∀゚) ヒョヒョイ

(;゚A゚)「これならどうだ! ドクオ流奥義聖剣悪魔殺し!」
  _
( ゚∀゚) ヒョヒョヒョイ



ミセ*゚-゚)リ「どんどん適当になってんね」

( ゚∋゚)「魔王様の躱し方も大変適当でございますね」


125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:14:54.13 ID:e8AHgL/80

(;゚A゚)「クッ、流石に強いじゃないか! 魔族に見捨てられた魔王のくせに!」
  _
( ゚∀゚)ピクッ



 それまで優雅に闘っていたジョルジュの動きが止まった。


(;'A`)「魔族に味方しなかったから、見放されたんだろ! だから冥界に帰れないんだ!」
  _
( ゚∀゚)「見放されたというのは間違いではないかもしれない。
     しかしそれで冥界に帰れないわけじゃないよ」

(;'A`)「おまえがいると迷惑なんだよ! 俺たち一般市民がどれだけ不安かわかるか!」


ミセ;゚-゚)リ「ちょ、ちょっと、この人は別に悪いこと……」

(;'∀`)「姫! もうすぐお助けしますので、しばしご辛抱を!」

ミセ*゚-゚)リ(うぜえ!)


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:18:08.68 ID:e8AHgL/80

  _
( ゚∀゚)「迷惑か。そりゃあそうだろうな。力を持った者を恐れるのは、当たり前のことだ」

(;'A`)「そ、そうさ! だからさっさと冥界に帰るか、俺の剣によって散ってくれ!」



 ドクオは足をもつれさせながらジョルジュに突進した。

 ジョルジュは構えることはおろか、視線を向けようともせず、ただ悲しそうに俯いていた。


(゚A゚)「!」

( ゚∋゚)「!」

ミセ;゚-゚)リ「ひっ!」



 ドクオが振り下ろした剣は、ジョルジュの肩口に真っ直ぐ入り、赤紫色の血が弾けた。

 避けようとした素振りは全く無かった。


132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:22:58.21 ID:e8AHgL/80

(;'∀`)(初めて攻撃が入った! 勝てる!)

( ゚∋゚)


 有頂天になっているドクオとは対照的に、クックルは無表情に激昂していた。

 数百年慕ってきた魔王に傷を付けた、それは彼にとって、人を殺すには十分過ぎる理由だった。

  _
( ゚∀゚)「クックル。やめろ。誓いを破る気か」

( ゚∋゚)「魔王様……」


 それを制したのは魔王自身だった。

 端正な顔立ちも、美しい銀髪も、今は血しぶきで染まっている魔王は、それでも悠然とした表情を保っていた。


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:26:55.93 ID:e8AHgL/80

(;'A`)「よし! このまま一気にたたみ込む!」

(;'A`)(そして俺は姫様を救出し!)


(*'∀`)(彼女と幸せな家庭を築くのさー!)




( ゚∋゚)「これ以上の無礼、許すことはできません」
  _
( ゚∀゚)「殺しは駄目だ。他に手を考える」

( ゚∋゚)「魔王様。私は元々、戦闘に特化している種族でございます。あまり気は長くありません」
  _
( ゚∀゚)「付き合いは長いしね。そこら辺は心得てるよ。しかしどうしたらいいものか」



ミセ;゚ー゚)リ(なにこれ! なんで闘ってんのよ! 頭おかしいよ!)

 どうにかして戦いをやめさせないと、ミセリは考える。


138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:34:00.31 ID:e8AHgL/80

ミセ;゚ー゚)リ「あ、あの!」

(;'A`)「?」
  _
( ゚∀゚)「どうした」

ミセ;゚ー゚)リ「えと、なんていうか」

(;'A`)「姫、どうされました!?」

ミセ;゚ー゚)リ「姫……そう、私は姫! あんたは私を助けたい。そうよね?」

(;'A`)「そうですけど」



ミセ;゚ー゚)リ「だから、その、逃げて! 早くここから逃げるの!」

(;'A`)「はい?」



ミセ*゚ー゚)リ「私は囚われの姫。私はあなたのような勇敢な勇者が傷つくのを見たくありません。
       ですが、魔王に一撃を与えられるあなたしか、私を救える人はいません!
       だからこそ、ここはどうか一度身を退いてください!
       ここであなたが死んでしまったら、誰も頼る人がいなくなるのです!」


141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:37:56.73 ID:e8AHgL/80

(;'A`)「これは……は! そうか! 修行して強くなる的なイベントか!」

ミセ*゚ー゚)リ「はいそうです!」


(;゚A゚)「しかし、俺は魔王の首を持って帰らないと国を追い出されるんだ!」

ミセ;゚ー゚)リ「えええ!?」

( ゚∋゚)「だから困っているのです」

ミセ;゚ー゚)リ「じゃあ、えーと、えーと」


ミセ*゚ー゚)リ「その剣についた血が証明になります!」
  _
( ゚∀゚)( ゚∋゚)(;'A`)?


ミセ*゚ー゚)リ「その剣についた魔王の血が証明するもの。
      それは魔王に一撃を与えられたという証明です。そのような猛者を国が追い出すでしょうか?
      私ならこう考えます。彼ならいつか魔王を倒してくれるのではないか、と!」

(゚A゚)「そ、そうか!」

( ゚∋゚)(なるほど。その場しのぎではあるが、魔王様もこの男も助かる唯一の手段だ。考えたな)


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:42:29.44 ID:e8AHgL/80


('A`)「わかった。ここは一度退こう。しかし魔王よ」
  _
( ゚∀゚)「なにかな」



('A`)「いつの日か、我が聖剣がおまえの闇を打ち砕くときが来るら、来るだろう」
  _
( ゚∀゚)「……うん」

('A`)「貴様の寿命はその日までだ! それと姫様!」

ミセ*゚ー゚)リ「ん?」

(///)「た、助け出したそのときは、俺と、け、結婚とかしちゃう流れでいいのかな?」

ミセ*゚-゚)リ「は?」


('∀`)「さらばだ魔王、その家臣ガーゴイル。そして、麗しき姫よ!」


145 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:47:18.38 ID:e8AHgL/80


 「はーっはっはっは!」高笑いをしながら去っていく勇者を、三人は遠い目で見送った。


  _
( ゚∀゚)「クックル」

( ゚∋゚)「はっ。カエラズの森を出るまで、あの男の護衛をすればよいでしょうか」
  _
( ゚∀゚)「ああ。そうしてくれ」

( ゚∋゚)「正直気は進みませんが、行きましょう」

  _
( ゚∀゚)「すまない。ミセリさん。我々は掃除を再開しよう」

ミセ*゚-゚)リ「う、うん」


 魔族に味方せず、魔族から見放された魔王、あの男はそう言っていた。
 そして今も、自分の体を傷つけた男の心配をしている。

 どうしてジョルジュは、魔族でありながらそこまで人のために尽くせるのだろうか。

  _
( ゚∀゚)「あ、そうだ。ミセリさん」

∑ミセ*゚-゚)リ「なに?」


147 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/19(水) 01:50:27.17 ID:e8AHgL/80



  _
( ゚∀゚)「ドレス、可愛いよ」




 どうしてジョルジュは、魔王でありながら人よりも人間らしいのだろうか。




 剣で斬られたはずの肩は、既に傷口が塞がっていた。





( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 3
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