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( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 4 2011年01月23日 ( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです トラックバック:0コメント:0


5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:00:05.25 ID:c45wiDMj0

 西棟に入ったのは初めてだった。


ミセ; -゚)リ「ケホッ!」


 ホコリの舞う部屋には、乱雑にものが置かれ、視界がおそろしく狭い。
 ここは物置だった。



 一階から二階に上がるにははしごを使う必要があった。
 質素な木のはしごを一段上る度に、ぎしぎしと不安な音が鳴った。

 二階に上がるとものは無くなり、ただ上に続く螺旋階段だけが見える。


 石段をぐるぐると上っていく内に心がときめいていくのを感じた。
 例えばそれは大人の踏み込まない場所に秘密基地を作った、子供のような。


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:02:45.11 ID:c45wiDMj0


 螺旋階段の終わりは、真っ赤な光で溢れていた。




ミセ*゚ー゚)リ「わぁ――――」




 見晴らしのいい景色の中で、広大な自然が赤く、壮大な光に照らされ、目を奪われるほど美しかった。


 展望台に一人佇むジョルジュの横顔を、夕陽が赤く染めている。

 彼の横顔があまりにも寂しそうに見えて、ミセリは息を呑んだ。


7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:04:08.33 ID:c45wiDMj0





 ##### ガラクタ魔王のようです #####










 第四話「鮮血シアターと二人ぼっち」






9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:07:53.59 ID:c45wiDMj0


  _
( ゚∀゚)「ミセリさん、どうしてここに?」



 クックルに教えてもらったと伝えると、ジョルジュは少しだけ眉をひそめた。


ミセ*゚-゚)リ「なによ。私が来ちゃいけなかった?」
  _
( ゚∀゚)「いや、そうじゃないけど……」

ミセ*゚ー゚)リ「じゃあいいじゃん。横座ってもいい?」
  _
( ゚∀゚)「もちろん」


 展望台には木のベンチが一つだけ用意されていた。
 ジョルジュの隣に、一人分の隙間を空けて腰を下ろす。


11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:14:55.90 ID:c45wiDMj0

ミセ*゚ー゚)リ「綺麗だね。よくここに来るらしいけど、これを見るために?」
  _
( ゚∀゚)「ああ」

ミセ*゚ー゚)リ「へー。意外とロマンチストなのかい?」
  _
( ゚∀゚)「よくわからないが、好きなんだ。一瞬しか見られないから、とても綺麗に見える」


 ジョルジュの表情は、夕陽を見て楽しんでいるというよりは、辛そうな方に見えた。

 数日前に城にやってきた男の言葉を思い出す。
 彼の言葉を信じると、ジョルジュは「魔族から見捨てられた」のだろうが、それを思い出しているのだろうか。

 いつも飄々としている彼とは違った真剣な雰囲気に、ミセリは話のきっかけを見つけられないでいた。


  _
( ゚∀゚)「家族はどうしてる?」

 その内、ジョルジュの方から話題を振ってきた。
 ただしそれは答えたくない部類に入るものだ。


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:19:49.01 ID:c45wiDMj0

ミセ*゚-゚)リ「知らない。死んでるかも。生きてるかも」
  _
( ゚∀゚)「知らないのか」

ミセ*゚ー゚)リ「ずっと前に捨てられたもんで。なんていうか、子供を養う余裕が無かったんだろうね」
  _
( ゚∀゚)「すまない」

ミセ*゚ー゚)リ「いーえ。親がいないのはお互い様じゃ?」
  _
( ゚∀゚)「そうだね」



  _
( ゚∀゚)「僕は時々会いたくなる」

ミセ*゚-゚)リ「ふうん」
  _
( ゚∀゚)「僕は父さんのことが好きだったし、父さんも僕のことが好きだった」

ミセ*゚ー゚)リ「そう………」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:25:22.56 ID:c45wiDMj0
  _
( ゚∀゚)「でも会いたいより、会いたくない方が大きいんだ」

ミセ*゚-゚)リ「えー、フクザツ。好きなんじゃないの?」
  _
( ゚∀゚)「僕は今でも好きだよ。母さんは僕を生んですぐに亡くなった。父さんが唯一の家族だった」

ミセ*゚-゚)リ「でも、会いたくない?」
  _
( ゚∀゚)「ああ。会いたくない。わかるかな」

ミセ*゚ー゚)リ「わからん!」
  _
( ゚∀゚)「そうだろうね」


ミセ*´ー`)リ「私は親なんてもういいや。今が最高だからどうでもいい」
  _
( ゚∀゚)「城の生活には慣れたかい?」

ミセ*゚ー゚)リ「快適すぎて逆に慣れない」
  _
( ゚∀゚)「そうか……じゃあ城内に川を作って、橋をかけてそこに住居を作った方がいいかな?」

ミセ;゚-゚)リ「真に受けんな! 悪かったな家無しで!」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:30:21.00 ID:c45wiDMj0
  _
( ゚∀゚)「とにかく喜んでもらえてよかったよ」

ミセ*゚-゚)リ「魔王様ってばさ、どうして私にそこまでしてくれるの?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、それは」

ミセ*゚ー゚)リ「もしかして惚れちゃった!?」
  _
( ゚∀゚)「似てるって思ったから」

ミセ*゚-゚)リ「誰に?」
  _
( ゚∀゚)「誰だろう。僕のよく知ってる誰かだよ」

ミセ;゚ー゚)リ「もー! さっきから曖昧すぎてよくわからん!」
  _
( ゚∀゚)「そういうのを草食系っていうんだよね」

ミセ*゚ー゚)リ「どこで仕入れた知識なんだよ………」


20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:39:28.67 ID:c45wiDMj0
  _
( ゚∀゚)「なあ、ミセリさん」

ミセ*゚ー゚)リ「んー?」
  _
( ゚∀゚)「僕が怖くないかい?」


 ジョルジュは笑っていたが、消えてしまいそうなほど虚ろな笑顔だった。


ミセ*゚ー゚)リ「怖くないよ。ただの天然なアホとしか思ってないから」
  _
( ゚∀゚)「そうか。良かった……よくはないけど良かった」

ミセ*゚ー゚)リ「沈んだよ。夕陽」


 沈みきった夕陽の余韻が空をまだ赤く染めている。

  _
( ゚∀゚)「周りが山だから、夕陽は本当に一瞬だ。だから時々怖くなる。。
     もしかしたら明日はもう見えないんじゃないかって、思ってしまうから」

ミセ*゚ー゚)リ「なにそれ。見えるに決まってんじゃん」
  _
( ゚∀゚)「ミセリさん」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/01/23(日) 00:43:36.84 ID:c45wiDMj0


 ジョルジュがベンチから立ち上がる。

 夕陽の余韻が彼の全身に影を落とし、深い青色の瞳は、今は赤く見えた。


  _
( ゚∀゚)「父さんを殺したのは僕だ」



 言葉を失ったミセリを残して、ジョルジュは一人で螺旋階段を下りていった。


 階段を下りる音に混じって、虫の鳴き声が聞こえた。
 夜の気配がした。





( ゚∀゚)ガラクタ魔王のようです 5
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